働きながら障害年金をもらうという選択肢

障害年金をもらいながら働ける？

ご覧いただきありがとうございます。北名古屋市の障害年金相談室を運営している、白石社労士事務所です。

今回は「障害年金をもらいながら働く」というテーマについてお話ししたいと思います。
働くと障害年金がもらえなくなる？という考えから、就職活動や支援事業所の活用に踏み出せないというご相談をしばしば頂きます。
もし自分の状況を理解し、その中で安心して働ける道を見つけられたら、暮らしに少し余裕が生まれるかもしれません。
この記事ではその一助となるよう、働きながら障害年金を受け取る際のポイントや心構えについて考えていきたいと思います😊

障害年金の各等級定義

障害年金は、障害等級（1級～3級）に基づいて支給されます。それぞれの基準は以下の通りです：

1級: 日常生活全般において他人の介助が必要で、ほとんどのことが自力で行えない状態。
イメージとしては、ベッド周辺でしか生活できない方が該当します。

2級: 日常生活に著しい制限があり、一定の支援が必要な状態。
イメージとしては、自力では自発的に家から出ることが難しい方が該当します。

3級: 労働能力が著しく制限され、通常の仕事を続けることが困難な状態。
イメージとしては、一般企業の中で障害者雇用で働いたり、就労支援施設で働く方が該当します。
もちろん、障害者雇用で働いていたり、就労支援施設で働いている方でも、障害等級2級以上になることもあるので、あくまでイメージになります☀️

扶養の範囲を超えて働きながら障害年金をもらえる場合

大前提として個人的には、障害年金を理由に働く時間を調整するのではなく、可能であれば社会とつながり、やりがいを持ったお仕事に就く方が、長い目で見れば豊かな人生になるのでは。と考えています。
しかし、無理をして働くことで障害を悪化させてしまうことを避けるために、障害を理由に所得が下がった方には、障害年金を受給しながら働き、安心した生活を送る。といった選択肢が、本人にとっても社会にとっても、最善な場合があると思います🌱

働きながら障害年金を受け取るためには、自分が支給対象となる要件を満たしているかを確認することが重要です。
その中でも特にポイントになるのは労働時間と就労環境です。例えば、以下の点を意識しておくべきです。

収入の制限
20歳未満の時に障害事由が発生した場合、一定以上の収入を得ると、障害年金が一部（又は全額）停止されることがあります
労働時間の調整
労働時間が長すぎたり、体調に負担をかけすぎる働き方をしてしまうと、身体的・精神的な面での影響が出るだけでなく、年金受給の要件にも影響が出る可能性があります。
就労環境の選択
障害者雇用枠を活用するだけでなく、職場がどれほど配慮しているか。といったことも、年金受給の要件に影響する可能性があります。
そのため、扶養の範囲を超えて働いたとしても、「労働能力が著しく制限され、通常の仕事を続けることが困難な状態」に該当される可能性もあります。自分の状況を理解してくれる職場で働けると、長く続けられる安心感があり、理想ですね😊

働きながら障害年金を受け取るのはずるい？

「働きながら障害年金を受け取るなんて、ずるいんじゃない？」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。正直に申し上げると私自身、障害年金をもらいながら働けることを初めて知った時には、同じようなことを思いました。
ただ、障害を持ち、大変な思いをされている方と多く接している中で「健康体で働くことの方がずっと素晴らしい」ことを身に染みています。
仕事だけでなくプライベートでも、365日24時間辛い思いをしていて、所得もほぼなくなる、又は大幅に引き下がった方に対して、障害年金は社会保障として支給されます。障害年金が支給されても、健康体であった頃の所得水準には届かない可能性が高いです。
確かに行き過ぎた保護は不公平につながるかもしれませんが、障がい者の方が障害年金を維持するために何もやらないよりも、障害年金を受給しながら働くという選択肢がある方が、本人にとっても社会にとっても必要な仕組みだと思っています😊

最後に

障害年金は、障害を持つ方にとって生活の安定を支える重要な制度です。そして、それを受けながら働くことは決して特別なことではなく、多くの方が選んでいる道です。大切なのは、自分に合った働き方や生活スタイルを見つけること。そのためには、情報を集め、必要な手続きをしっかり行うことが何よりも重要です。一歩ずつ、無理のない範囲で新しい挑戦をしてみてはいかがでしょうか。
心配なことがあれば、近隣の障害年金に詳しい社会保険労務士に相談してみるといいと思います。もちろん当事務所へのご相談も、大歓迎です😊
あなたの未来が少しでも明るいものになるよう、心から願っています🌱